不動産投資 公開日時 : 2023.02.16 更新日時 : 2023.06.06

一括借り上げ(サブリース)を徹底解説!
そのメリットとデメリットは?

初めての資産運用教科書のステマ規制への対応に関しまして

本コンテンツは専門家による独自の記事制作をしておりますが、一部広告主からの手数料を受領し継続したコンテンツ提供ができるよう新規記事の執筆を行なっております。コンテンツの内容やランキング決定には一切関与していません。広告主等の指示による記事には提供を表記をし誤認を防ぐコンテンツ制作を行なっております。

目次

不動産投資を行っているオーナーにとっての一番のリスクは、言うまでもなく『空室リスク』です。部屋が空いてしまえばその部屋の家賃収入が0になる一方、借入金返済や固定資産税などの支払い、修繕費などの支出は継続するため、収益はマイナス状態になってしまいます。 そこで、最近オーナーに人気なのが一括借り上げ(サブリース)契約です。これは所有する物件に空室が出たとしても、契約上最低限の家賃保証はするというものです。大手ハウスメーカーや賃貸アパート建築会社が、新たに建物を建てるオーナーに対して提案をするケースが多いようです。

一括借り上げ(サブリース)とは

一括借り上げ(サブリース)とは、オーナーが所有する物件の部屋を不動産会社やハウスメーカー(以下サブリース業者)が借り上げ、それをまたサブリース業者が実際の賃借人に貸し出す(転貸)といったものです。オーナーからすると、契約期間中は空室リスクに気を使う必要がなく、安定した収入が得られます。しかし、サブリースの家賃はサブリース料を差し引かれるため、オーナーの手取りは小さくなります。 所有する物件の所在地などによって異なりますが、おおよそ5~10%程度差し引かれるケースが多いようです。

一括借り上げ(サブリース)のメリット

次に一括借り上げ(サブリース)のメリットですが、何と言っても空室リスクの心配がなくなることです。周辺の家賃相場と比較すると手取り家賃は少なくなりますが、家賃収入が大きく減ってしまうリスクや、まるっきり入らなくなるリスクは回避できます。家賃の未納が発生した場合でも、サブリース業者が立て替えを行ってくれます。 また、一般的にサブリース業者が家賃収受や入金管理、賃借人からの修繕クレームなどの対応、空室になった場合の募集業務なども行うため、オーナーにとっては手間がかからない点も大きなメリットと言えるでしょう。サラリーマンなどは本業があるため、不動産投資に時間を割かれないことは大きなメリットになります。

一括借り上げ(サブリース)のデメリット

しかし、一括借り上げ(サブリース)にもデメリットは存在します。

前述の通り、サブリース料というものを差し引かれるため、通常の周辺相場と比較して5~10%低い金額がオーナーに支払われます。当然、収益が低くなる点は理解しておきたいところです。 また、よく『家賃30年一括保証』と銘打ちオーナーに安心感を与えるサブリース会社もありますが、実態は2年から5年ごとに最低保証家賃を見直すケースが多いようです。サブリース会社の家賃の減額は、最高裁で適法と認められたケースもあります(平成15年10月21日判決)。仮に2年ごとの見直しで一部屋2千円の家賃減額改定がなされた場合、10年間では5回引き下げが行われますので、当初家賃から1万円減額されることとなります。 さらに、サブリース契約は20~30年などの長期契約が一般的ですが、出口戦略で当該物件をサブリース契約期間中に売却する場合、違約金としてかなりのペナルティーが発生する場合もあります。賃料の4~6か月分となるケースが多いようですが、この負担は相当なものだといえるでしょう。

サブリース契約をする上でのポイント

サブリース契約は、オーナーに安心感を与える点では有効な手段の一つです。

しかし、サブリース契約を締結しなくても十分利益が上がることもあります。そこで、サブリース契約を締結する前にもう一度必要なポイントをおさらいしていきましょう!

1つめは、「不動産投資は不動産経営だと認識すること」です。

不動産投資をするということは、物件を手に入れ、家賃収入を得て、さらにいろいろな経費を差し引いて最後に税金を支払うというもので、会社経営と同じです。不動産投資を行うに当たっては、その土地に賃貸ニーズがあるのか、周辺相場はどうなのかなどのマーケティング活動から始まり、少しでも安い経費で抑える工夫をしたり、将来の修繕に備えたりするなど、経営者の視点が必要です。あくまで一括借り上げに固執することなく、将来の賃貸需要まで考慮に入れたうえで不動産投資を行いましょう。

2つめは、当該物件の立地です。

都心や周辺に学校や職場などが点在するなど、もともと賃貸需要がある物件にサブリース契約を付ける必要性はありません。サブリース契約の損得をじっくりと比較してみましょう。

3つめは、契約書のチェックです。

もし、サブリース契約を締結することを決断した場合、賃料見直しまでの免責期間、契約解除に関する項目、更新料や敷金、礼金の取り扱いなど、不明な点は必ず事前に明らかにしておきましょう。 ここまで、一括借り上げ(サブリース)のメリット・デメリットを紹介してきました。しかしそもそも論として、空室リスクの少ない条件において適正かつ納得のできる賃貸利回りの不動産投資を目指すべきです。また、その実現を共にできる信頼のおける不動産会社をパートナーとしたうえで、状況に応じて一括借り上げの利用を検討するがベストではないでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ人はコチラも読んでいます