初めての資産運用教科書のステマ規制への対応に関しまして
本コンテンツは専門家による独自の記事制作をしておりますが、一部広告主からの手数料を受領し継続したコンテンツ提供ができるよう新規記事の執筆を行なっております。コンテンツの内容やランキング決定には一切関与していません。広告主等の指示による記事には提供を表記をし誤認を防ぐコンテンツ制作を行なっております。
アパート経営を始めるにあたり、いくつかの知識が必須となります。中でも特に重要なのが利回り。アパート経営の利回りには、大きく分けて「表面利回り」と「実質利回り」があります。この2種の利回りについて詳しく解説します。
目次
投資と利回り
不動産投資に限らず、全ての投資では利回りを重視します。
利回りとは、投資対象の収益性を測る指標のことです。一般的に利回りはパーセントで表し、投資資金に利回りを掛け合わせることで期待収益を算出できます。株式投資では、年間に受け取る配当金の収益性を「配当利回り」といいます。
例えば、配当利回りが3%の銘柄に100万円投資した場合、年間で得られる配当収入は「100万円×3%」で3万円です。
国債にも利回りがあり、米国債(10年債)の利回りは11月10日の時点で約4%。これに100万円投資すれば、年あたりの期待収益は4万円となります。通貨を売買するFXならば、2通貨間の金利差によって得られるスワップポイントが利回りに当たります。
このように、全ての投資は収益を目的とする以上、必ず利回りの概念が付きまとうのです。
アパート経営でも、当然ながら利回りを考える必要があります。利回りによって収益性を測りながら不動産を選んでいくため、アパート経営には利回りの知識が欠かせません。
「表面利回り」と「実質利回り」
ただし、アパート経営の利回りの考え方はやや特殊です。
他の投資で利回りを考える場合、株式投資でも国債投資でも、投資資金と期待収益によって表面的な利回りを計算するだけです。
これに対し、アパート経営の利回りには表面利回りと実質利回りの2種類があります。
表面利回りとは
表面利回りとは、表面的な利回りのことです。表面利回りは以下の計算式で算出します。
年間家賃収入÷物件価格×100=表面利回り(%) |
例えば、物件価格が3000万円、満室時の想定家賃が年間300万円であれば、このアパートの表面利回りは「300万円÷3000万円×100」で10%となります。
実質利回りとは
実質利回りとは、文字通り「(表面的ではなく)実質的な利回り」を意味するものです。
アパート経営には様々なコストがかかります。管理費用、共有部分の光熱費、税金などの経費を支払う必要があり、これらの経費が変われば実際の収益性も変わってきます。
実質利回りの計算式は以下の通りです。
(年間家賃収入-年間経費)÷物件価格×100=実質利回り(%) |
アパート経営の経費率は、家賃に対して年間15~20%程度が一般的です。
例えば、物件価格が3000万円、満室時の想定家賃が年間300万円、経費率が20%であれば、このアパートの実質利回りは以下のようになります。
(300万円-60万円)÷3000万円×100=8% |
表面利回りと実質利回りの使い分け
表面利回りと実質利回りはどのように使い分けるのでしょうか。
表面利回りは簡易比較に利用
表面利回りは、物件の簡易比較のために利用します。
インターネットなどで売り物件の一覧を見ると、大抵は表面利回りが表記されています。物件が売りに出されている時点では、その物件の年間支出が詳細に把握できていないことが多いため、物件情報としては表面利回りで表記せざるを得ないのです。
したがって物件を選ぶ際には、物件ごとに表面利回りで比較することとなります。
実質利回りはより現実的
計算からも分かる通り、表面利回りは経費を考慮していません。実質利回りは経費も含めて計算するため、表面利回りに比べて計算が緻密であり、より現実的です。
アパート経営に取り組むにあたっては、収支シミュレーションが欠かせません。収支シミュレーションでも必ず経費を考慮するため、実質利回りは収支シミュレーションに近いとも言えます。
したがって、
- 表面利回りで物件を簡易比較する
- 経費を考慮して実質利回りを計算し、より現実的な収益性を把握する
- 購入を検討する
というように使い分けます。
表面利回りで十分
表面利回りはざっくりとした情報ですが、それでも表面利回りが高い物件ほど収益性が高いことは事実です。
また、実質利回りが表面利回りを上回ることは絶対にないため、表面利回りが低すぎる物件はアパート経営の候補から即座に除外できます。
このため、実質利回りをさほど重視せず、主に表面利回りによって判断する投資家が多いです。
実質利回りは、実態に近い数値で収益性を把握できますが、やはりシミュレーションに過ぎません。実際の収益性は、ローンを何年間で返済するか、金利はどの程度になるか、空室率がどの程度であるかなど、様々な要素によって変化します。
しかし、表面利回り・実質利回りではこれらの要素を考慮していません。これらの利回り計算は全て満室時の家賃を想定しており、なおかつ物件の選定段階では融資条件が未確定なのです。
さらに、アパート経営の収益構造はシンプルで、物件ごとに支出が大きく変動することは基本的にありません。このように考えると、実質利回りの利用価値はさほど高くないことが分かります。
利回りの過信は禁物
アパート経営を始めるには物件を購入する必要があり、物件を購入するためには利回りを考慮しながら物件を選定する必要があります。
しかし、利回りの過信は禁物です。表面利回りも実質利回りも満室時の家賃を想定して算出するため、実際の利益とは異なるものと考えてください。
例えば、物件価格が3000万円、満室時の想定家賃が年間300万円の条件であれば利回りは10%です。都心エリアでアパート経営に取り組む場合、築10年以上の中古物件では表面利回り5~9%が標準値ですから、利回り10%の物件は高利回りといえます。
しかし、何らかの問題によって半分が空室になっており、なおかつ空室を埋めるのが困難な状況にあれば、実際の利回りは5%に低下します。
それよりも、物件価格5000万円、想定家賃300万円、なおかつ満室になっている物件(利回り6%)の方が収益性は高いです。
このように、実際の収益性には空室リスクが大きく影響します。空室リスクは利回り計算に織り込むことができないため、利回りを過信することなく、空室リスクも考慮しながら物件を選ぶことが大切です。
まとめ
この記事では、アパート経営に必要な利回りの知識を解説しました。
表面利回りは物件の選定に便利な指標であり、実質利回りは表面利回りの補足として役立ちます。
しかし、利回りだけでは判断できません。アパート経営に成功するためには、利回りに表れない要素も考慮しなければなりません。