初めての資産運用教科書のステマ規制への対応に関しまして
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株式投資の技術には色々ありますが、中でも最も重要な技術のひとつに「損切り」があります。損切りは、株式投資に取り組む以上、初心者からプロまで等しく重要な技術です。
損切りができなければ、株式投資で利益を上げ続けるのは不可能といっても過言ではないでしょう。
ここでは、損切りの基礎知識から損切りのコツまで詳しく解説します。
目次
損切りとは?
株式投資では、百戦百勝というものはまずあり得ません。
買ったり負けたりしながら、トータルでプラスを導き出すのが基本です。そのためには、失敗した時には損失をできるだけ小さくし、成功した時には利益をできるだけ大きくする「損小利大」という考え方が重要となります。
このうち、「利大」はナンピンや増し玉と、あるいはツナギといった相場技法が必要となるため、比較的難易度は高めです。
そこで、初心者がトータルでの利益を目指すには、まずは「損小」を徹底するのがよいでしょう。
「損小」を実現するための技術が、ここで取り上げる「損切り」です。損切りとは、損失が発生している建玉を早期に決済する(見切る)ことです。
これにより損失を軽微に止め、手元資金を温存しながら再び好機をうかがうことができます。
損切りしないとどうなる?
損切りをしない場合、どのような事態に陥るのでしょうか。よくあるケースをご紹介します。
1.タイミングを誤り含み損が発生
例えば、下落傾向が続いている銘柄を買ったとします。これは、「そろそろ下げ止まるだろう」と考えて、値上がりを見込んで株を買うわけです。
しかし、予想に反して下落傾向が続き、含み損が発生することが少なくありません。
2.希望的観測を棄てられない
このような場合、ずるずると下落が続くケースが多いため、ひとまず損切りして様子をうかがうのが賢明です。
しかし初心者の多くは、主に二つの理由によって損切りを躊躇します。ひとつは、人間はなかなか自分の間違いを受け入れられないということです。
最初に「これから上がるだろう」という考えを抱いて買っただけに、それをなかなか断ち切れません。下がるたびに「もう上がるだろう」という希望的観測を抱き、損切りのタイミングを失い、含み損が拡大していきます。
3.損失から目を背けて塩漬けに
含み損が20%、30%と拡大していけば、いかに初心者でも「最初の判断が誤りであった」ということが分かるでしょう。
しかし、この段階になると損切りは増々難しくなります。決済すれば含み損は実現損となり、証券口座の自己資金は確実に減少するからです。
決済しなければ含み損は含み損のままですから、損失から目を背けることができます。こうなると、損失を抱えた建玉をいつまでも処理できなくなります。
これが損切りできない2つ目の理由です。
4.塩漬けと自己正当化
損切りできずに身動きが取れなくなることを「塩漬け」といいます。
塩漬けに陥っている人には、「ガチホ(ガチでホールドする)」などと言って塩漬けを正当化する傾向がみられます。「いずれ上がるのだからそれまで持ち続ける。何年かけても損失を回避すればよい。その間も配当金はもらえるし…」といった考え方です。
このような考え方は、少なくとも株式投資においては好ましくありません。将来的に何倍、何十倍の値上がりを見据えて安値で仕込み、何年でも塩漬けするというならばよいでしょう。
しかしこの場合、下落傾向の銘柄を「早晩下げ止まるだろう」という考えで買ったのであって、塩漬けを前提に買ったのではありません。
そもそも「塩漬けしている」ということは、「損失が発生し続けている銘柄に投資している」ということにほかなりません。
言うまでもなく、株式投資で儲けるための基本姿勢は「利益が得られる銘柄に投資する」ことにあります。結局のところ、損失から目を背けるために塩漬けしているだけです。
5.投資効率は低下
高値で買った株が塩漬けになり、何年たっても買値を回復しないことも考えられます。
手元資金は損失を生み続けるばかりで、利益を得るために活用できない状況です。儲からない銘柄に資金を拘束されるのですから、投資効率の低下は避けられません。
早い段階で損切りすれば、投資資金の大部分を温存した状態で、利益の見込める銘柄に再投資できます。
再投資により、1回でも2回でも大きく利益を取れば、塩漬けを続けて損失を回避するよりもはるかに良い結果が期待できるのです。
損切りのラインとコツ
損切りができなければ、株式投資での成功は見込めません。初心者でもスムーズに損切りするには、損切りのラインとコツを知ることが重要です。
損切りの目安は?
損失を軽微に止めるのが損切りの目的ですから、それなりにシビアな基準を設けるべきでしょう。
損切りの判断は投資家によって異なりますが、5~10%を目安に損切りするのが一般的です。世界恐慌の際に空売りで儲けたジェシー・リバモアは、「投資資金の10%以上の損失を出してはならない」としています。これは、損切りのラインを10%とする考え方です。
したがって、「5%の逆行で注意、10%で必ず損切り」というのが一つの目安になるでしょう。
逆指値の活用を
できるだけ抵抗なく損切りするためには逆指値の活用がおすすめです。
株式投資の注文形式には、成行注文、指値注文、逆指値注文があります。
- 成行注文…その時の価格で売買するもの。
- 指値注文…現在の株価よりも有利な価格をあらかじめ指定しておき、その価格になったら自動的に売買するもの。
- 逆指値注文…現在の株価よりも不利な価格をあらかじめ指定しておき、その価格になったら自動的に売買するもの。
損切りラインを10%とした場合、1000円で買った株は900円で損切りしなければなりません。
そこで、現在の株価(1000円)よりも不利な株価(900円)での売却(損切り)を、あらかじめ注文しておくのです。これにより、10%の下落によって自動的に決済されるため、さほど抵抗を感じることなく損切りできます。
「10%の損失を被った」という敗北感よりも、「しっかり損切りできた」という充実感が勝るでしょう。
まとめ
株式投資で資産を運用するには、「損小利大」が基本となります。
「損小」と「利大」は同時に行うものではなく、「失敗した場合には損失を小さく」「うまく行った場合には利益を大きく」というように、別々に行うものです。損小と利大のどちらも欠ければ、株式投資での成功はほぼ不可能です。
「損小」だけができれば、大きな失敗をする危険はありません。小さな失敗を繰り返すうちに経験値が高まり、徐々に「利大」へと近づいていけば、トータルでの利益も高まっていきます。
これから株式投資を始める人は、早いうちから損切りを習慣化しましょう。