「マンション投資のメリットとは?」
このように聞かれると、賃料収入を思い浮かべる人が多いかもしれません。確かに、賃貸経営によって安定収入が得られることはマンション投資の大きなメリットです。しかし、マンション投資のメリットは他にも色々あります。税金対策やインフレ対策など、資産防衛に役立つメリットがあるほか、生命保険の代わりにもなるのです。この記事では、会社員がマンション投資を始めるメリットを6つ紹介します。
目次
1.安定収入が得られる
安定収入が得られることは、マンション投資の最大のメリットと言ってもよいでしょう。マンション投資を始める会社員の多くは、安定収入を目的としています。日本の経済は長期的に停滞しており、年金支給額は悪化傾向。年金支給額と老後の生活費は大きく乖離しており、老後のために必要な貯金は2000万円とも言われます。
このように先行きが不安定な今、安定収入が得られるマンション投資は非常に魅力的です。マンション投資を行うと、賃料収入を毎月得ることができます。一棟物件を購入すれば、一部が空室になったり、入居者が家賃を滞納したりした場合も収入が断たれることはありません。
また、投資したマンションの管理は管理会社に委託できるため、忙しい会社員でも無理なく投資できます。
2.売却益が得られることも
基本的に、不動産の価格は経年とともに下がっていきます。建物部分は構造によって法定耐用年数が定められており、年々価値が減少していくためです。マンション投資は、購入から売却までを一区切りとしますが、売却時の不動産価格は購入時よりも低くなるのが普通です。つまり売却時に損失が発生するわけですが、不動産によっては売却益が得られることもあります。
というのも、不動産価格は「建物価格+土地価格」によって決まるからです。長期にわたって賃貸経営したマンションでは、建物価格が10%、20%と減少していきます。その一方で土地価格が上昇し、この上昇率が建物価格の下落率を上回ると売却益が発生します。
3.節税になる
「マンション投資は節税になる」不動産業者の営業マンから、このような売り込みを受けたことはないでしょうか。確かに、マンション投資は所得税・住民税の節税に役立ちます。日本の税制では、給与所得と不動産所得の損益通算(複数の所得の損益を合算すること)が可能です。
例えば、会社員として700万円、マンション投資で300万円の所得がある人は、これを合算して課税所得は1000万円となります。
マンション投資は、賃貸経営にかかったコストと減価償却を経費として計上することで、不動産所得を大幅に圧縮でき、意図的に赤字にすることも可能です。マンション投資の決算が赤字になれば損益通算により課税所得が減るため、マンション投資を始める前(会社員としての給与所得だけの頃)よりも所得税・住民税が安くなります。
4.相続税対策にも役立つ
マンション投資を始めるからには、多くの人がある程度の資産形成を目指すことでしょう。計画通りに資産が増えたときに悩むのが相続税ですが、その対策になることもマンション投資のメリットです。2015年、相続税率の引き上げが行われたことにより、法定相続額が3億円以下の税率が40%から45%へ、6億円超の税率が50%から55%へと引き上げられました。富裕層を対象とする課税が徐々に厳しくなっている傾向が分かります。過去(昭和62年まで)の相続税率は最大で75%でしたから、まだまだ引き上げ余地があるともいえるでしょう。
相続税対策にマンション投資が役立つ理由は、現金よりも相続税評価額が低いからです。例えば1億円の資産を現金で相続すると、この100%が課税対象となります。したがって相続税評価額は1億円、相続税率は30%です。
この1億円でマンション投資を行った場合、相続税評価額は土地が時価の約80%、建物が時価の約60%に目減りするため、全体で約70%程度まで抑えることができます。つまり相続税評価額は7000万円、相続税率は20%まで下がります。
あくまでもざっくりとした計算ですが、これもマンション投資のメリットです。
5.インフレ対策になる
最近、物価高が騒がれています。現在の物価高は経済成長によるものではなく、主にロシアのウクライナ侵攻が原因と考えられています。むしろ、平時における日本のインフレ率は先進国の中でも低い水準であり、資産防衛のためのインフレ対策がさほど重視されていません。
しかしながら、日銀はインフレ率2%を目標としており、今後ゆるやかなインフレ傾向に入っていくことは十分に考えられます。ごく簡単に言えば、インフレとは物の価値が上がり、通貨の価値が下がることです。つまり現金で貯金を続けていると、長期的には価値が減少していきます。
一方、現物資産であるマンションに投資した場合、インフレ率に連動してマンションの価値が上がっていきます。このように、インフレ対策に役立つこともマンション投資のメリットです。
6.生命保険の代わりになる
最後に、生命保険の代わりになるメリットを紹介します。マンション投資を始めるにあたり、投資資金を銀行から調達するのが一般的です。
会社員は属性評価が高く、年収の10~30倍の融資を受けることも可能ですから、これを活用しない手はありません。融資を受けてマンション投資をする場合、団体信用生命保険への加入が必須です。これは、万が一オーナーが死亡したり、重度障害を負って働けなくなったりした場合に、残債を全て保険金で弁済する仕組みです。もちろん、不動産の所有権は被保険者の遺族が引き継ぎます。
生命保険のように、保険金が現金で支払われることはありませんが、その代わりに無借金のマンションを引き継ぎ、遺族は安定収入を得ることができます。
まとめ
マンション投資のメリットを6つ紹介しました。「賃貸経営で安定収入」という当たり前のメリットのほかにも、色々なメリットがあることが分かります。会社員が資産運用に取り組むうえで役立つメリットも多いです。もっとも、マンション投資のメリットはこれだけではありません。知識やノウハウを活用することで、このほかにも様々なメリットが期待できます。