不動産投資に興味を持っている会社員の方の中には、具体的に何から始めればいいのかわからず行動に移せていない方も多いのではないでしょうか。
不動産という大きな買い物をするにあたって、自分だけで考えて行動するのは簡単ではありません。
そこで本記事では会社員が不動産投資を始めるためにやるべきことや、具体的な流れを解説します。
目次
会社員が不動産投資を始める前にやるべきこと
不動産投資を成功させるには事前の準備が重要です。長期投資が前提の不動産投資では、事前の準備を怠ると、資金計画が成り立たなくなったり、当初の目的を達成できなかったりする恐れがあります。
不動産投資を成功させるためにも、事前に以下の4つのことを行いましょう。
- 不動産投資をする目的を明確にする
- 自分の年収や家計をもとにシミュレーションをする
- リスクへの対策を考える
- 不動産投資への知見を深める
それぞれについて解説します。
不動産投資をする目的を明確にする
不動産投資をする際には、まず不動産投資の目的を明確にしましょう。目的が明確にならないと、購入するべき物件を選べません。
たとえば、将来の年金対策で不動産投資をする方と、日々のキャッシュフローを改善するために不動産投資をする方では、適した物件が異なります。
主な目的に適した物件の種類は、以下の表を参考にしてください。
投資の目的 | 物件の種類 |
キャッシュフローの改善 | 利回りの高い中古不動産 |
将来の年金対策 | 将来にわたって資産価値が維持されやすい立地の良い新築マンション |
インフレ対策 | 土地価格が高い都心の不動産 |
相続税対策 | 賃貸需要の高い不動産や、相続人が管理・処分のしやすい不動産 |
不動産投資の目的を明確にして、目的を達成できるような物件を選ぶ必要があります。
自分の年収や家計をもとにシミュレーションをする
不動産投資では収入だけでなく支出も発生するため、自分の年収や家計をもとに長期的なシミュレーションをする必要があります。
具体的には以下のようなことをシミュレーションしてみましょう。
- 月々いくらの返済が可能か
- 空室になった場合、自己資金でどれくらいの期間耐えられるか
- 子どもの教育費など将来確実にかかる費用はいくらか
このようなことを事前に想定しておくと、万が一の際にも資金計画が大きく崩れることは避けられるでしょう。
しかし、自分ひとりで長期的なシミュレーションを立てるのは簡単ではありません。不動産会社の担当者や、ファイナンシャルプランナーなどの専門家も交えてシミュレーションしてみるのがおすすめです。
リスクへの対策を考える
不動産投資にはさまざまなリスクがあるため、それらの対策を考える必要があります。
起こりうるリスクの具体例は、以下のとおりです。
- 空室リスク
- 家賃滞納リスク
- 家賃下落リスク
- 災害リスク
- 金利上昇リスク
たとえば、空室リスクに関しては家賃収入の半年分を貯蓄しておく、家賃滞納リスクに関しては管理を専門業者に委託するなどの対策が考えられます。
さまざまなリスクへの対策を考えることで、購入する物件の種類や立地、賃貸需要など、重要なポイントが見えてきます。
不動産投資の知見を深める
不動産投資の知見を深めることで、投資効率を高められます。
なぜなら、物件の目利き力や税金の知識が身につくためです。どのようなエリアや物件が人気なのか、どのような費用が経費になるのかなどを理解できれば、投資の成功率も高まるでしょう。
不動産投資の知見を深めるには、本を読む、セミナーに参加するといった方法が代表的です。
しかし、本は情報が古い場合もあるので、購入前に発行年月日を確認しましょう。また、セミナーでは投資に勧誘されるようなケースもあるため、事前に評判を調べておくのがおすすめです。
会社員が不動産投資を始めるまでの流れ
不動産投資を始める前にやるべきことがわかったところで、本章では具体的な流れ・進め方を解説します。
- 不動産会社に相談して資金計画を立てる
- ローンの事前審査をする
- 現地に足を運びながら物件を選ぶ
- 不動産の売買契約を行う
- ローンの本審査・引き渡しを行う
これらの流れに沿って進めることで、不動産投資を始められます。それぞれの項目について詳しく解説します。
不動産会社に相談して資金計画を立てる
不動産投資を始める際には、まず不動産会社に相談して資金計画を立てましょう。
投資の目的をもとに、どのような投資方法が適しているのかアドバイスを受けながらシミュレーションします。
投資の目的が定まっていないと適切なシミュレーションができないため、不動産会社の担当者とも相談しながら、投資の方向性を決める必要があります。
ローンの事前審査をする
投資の方向性が定まったところで、いくらの物件を購入できるのか把握するために、金融機関へローンの事前審査を依頼します。
事前審査によって借入可能額がわかれば、その範囲で具体的な物件探しを始められます。
なお、近年は融資条件が厳しく、物件価格満額のローンを組めないケースが一般的です。そのため、いくら自己資金が必要になるのかも確認しておきましょう。
現地に足を運びながら物件を選ぶ
いまはインターネットで条件を入力すれば簡単に物件を探せます。
しかし、不動産は写真や地図だけではわからないことも多いため、実際に見て肌で感じることが大切です。たとえば、地図上で見るよりも駅からの距離が遠く感じたり、勾配が急だったりと、実際に歩いて見なければわからないこともあります。
ほかにも、夜道が暗いといったケースもあるので、昼と夜に分けてチェックしてみるのもおすすめです。
賃貸中の場合は、契約内容や過去の滞納履歴などを必ずチェックしましょう。
不動産の売買契約を行う
購入する物件が決まり、売主と諸条件がまとまり次第、売買契約を行います。
売買契約時には手付金が必要になるため、現金を用意しなければいけません。手付金は物件価格の5〜10%程度で設定されるケースが一般的です。
売買契約時には売買契約書や重要事項説明書の読み合わせがあります。しかし、これらは専門的な内容が多く、不動産投資初心者の方が契約時にすべてを把握するのは困難です。
契約の前に草案を受け取り、時間をかけて確認しておきましょう。
ローンの本審査・引き渡しを行う
売買契約後は、ローンの本審査を受けます。
本審査に通り次第、金融機関と金銭消費貸借契約を締結し、その後引き渡しへと進んでいきます。一般的に売買契約から引き渡しまでの期間は1〜2ヶ月程度です。
この期間に印鑑証明書などの書類を用意する必要があるため、時間に余裕を持って準備しましょう。引き渡しは金融機関や法務局の関係上、平日の午前中に行うのが一般的です。会社員の方は仕事の休みを取らなければならないため、早めに業務の調整を行いましょう。
まとめ
本記事では会社員が不動産投資を始めるためにやるべきことや、具体的な流れを解説しました。
不動産投資は、事前の準備で結果が左右されると言っても過言ではありません。不動産投資を成功させるためにも、投資の目的設定や資金計画、リスクへの対策などを考えましょう。
ひとりで考えるのは困難であるため、不動産会社の担当者やファイナンシャルプランナーなどの専門家を交えて考えるのがおすすめです。