アパート経営を始めるうえで、どのようなメリット・デメリットがあるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
アパート経営はメリットに目が行きがちですが、デメリットも加味して投資する必要があります。
そこで本記事ではアパート経営のメリット・デメリットや、事前の対策を紹介します。アパート経営を客観的に見て、今後の方針を考えましょう。
目次
アパート経営のメリット
アパート経営のメリットは以下の4つです。
- 長期的かつ安定的な収益を得られる
- インフレ対策になる
- 節税対策になる
- 生命保険代わりになる
それぞれについて解説します。
長期的かつ安定的な収入を得られる
アパート経営では、以下のような理由から長期的かつ安定的な収入を得られます。
- 入居期間が長い
- 季節・時期によって収入が変動しない
- 不況・不景気に強い
通常の賃貸借契約は2年契約が一般的です。しかし、入居者から退去の申請がない限り契約更新になるため、さらに長い期間収入を得られます。
また、住宅の需要は急激に上がったり下がったりしないため、年間を通して収入が安定しています。不況・不景気の際も住宅は必要になるので、安定資産と言えるでしょう。
アパート経営することで、将来の年金対策にもなります。
インフレ対策になる
アパートは現物資産であるため、経済情勢によって価格が変動します。
建物に関しては築年数が経過するごとに価値が減少しますが、土地はその限りではありません。エリアによっては土地の価格が上がっているタイミングで売却することで、購入時よりも高く売れる可能性があります。
また、家賃もインフレ時には高く設定できるため、家賃収入を増やすことも可能です。
節税対策になる
アパート経営ではさまざまな税金の節税効果があります。具体的な内容は以下の表を参考にしてください。
税金の種類 | 節税の仕組み |
所得税・住民税 | 経費計上や損益通算 |
相続税 | 評価額の圧縮 |
贈与税 | 評価額の圧縮・控除の活用 |
固定資産税・都市計画税 | 特例の活用 |
たとえば更地を所有している場合は、アパートを建てることで土地の固定資産税が最大1/6、都市計画税が最大1/3軽減されます。
そのほかにも、アパートの入居率を高めたうえで相続すると評価額の圧縮が可能です。税金について理解すれば、効率的にアパート経営ができるため、どのような節税対策があるのかを把握しておきましょう。
関連記事:アパート経営で節税するには?節税の仕組みや具体例を紹介
生命保険代わりになる
アパート経営でローンを組む場合、生命保険代わりになります。
不動産投資ローンを組む際には、団体信用生命保険に加入するケースが一般的です。この保険に加入すると、加入者が死亡もしくは高度障害になった場合に保険金でローンが完済されます。
そのため、万が一の際には家族にローンのないアパートを資産として残せます。
相続した家族はアパートを売却して現金化する、もしくは引き続きアパート経営を行い、家賃収入を得るといった選択が可能です。
アパート経営のデメリットと対策
アパート経営にはメリットがある一方で、デメリットもあります。具体的には以下のとおりです。
- 空室リスクがある
- 初期費用がかかる
- 将来の予測が難しい
- 突発的なトラブルが発生する
これらのデメリットを加味してアパート経営を始めないと、資金計画が当初の予定と大きく異なってしまう恐れがあります。
本章では各デメリットとその対策を解説するので、ぜひ参考にしてください。
空室リスクがある
アパート経営では空室が発生すると家賃収入を得られなくなります。
ローンを組む場合、家賃収入の中から返済する計画を立てるため、場合によってはキャッシュフローが回らなくなる恐れもあるでしょう。
短期間で次の入居者が決まれば問題ありませんが、空室が長期化すると自己資金からローンを返済し続けなければいけません。
アパートの場合部屋が複数あるため、家賃収入がゼロになることは考えにくいですが、複数の部屋が空室になる可能性もあります。
アパート経営をする際には、万が一に備えて必ず自己資金を貯めておきましょう。また、そもそも空室が発生しないようにするために、競合物件の有無や賃貸需要を詳しく調査する必要があります。
インターネットを活用して情報を集めるだけでなく、不動産会社から話を聞く、近年のデータをまとめてもらうなど、さまざまな手段で調査してみましょう。
初期費用がかかる
アパート経営では、物件価格満額のローンを組めれば自己資金は必要ありません。
しかし、近年では金融機関によるローン審査が厳しくなっており、物件価格の1〜2割ほどの自己資金を求められる傾向にあります。
そのため、初期費用0円でアパート経営を始めるのは難しいと考えましょう。
準備する自己資金を少なくしたい場合は、物件価格自体を抑える必要があります。余計な設備を削ったり、ハウスメーカーを比較検討したりと、物件価格を抑える工夫をしましょう。
将来の予測が難しい
アパート経営は長期的な計画を立てる必要がありますが、将来は誰にも予測できません。
- 建物や設備の故障・修理
- 借入金利の上昇
- 経済情勢の変化
- 自然災害の発生
これらのことを正確に予測するのは難しいでしょう。
しかし、建物や設備は不具合が発生してから確認するのではなく、定期的な検査・メンテナンスをすることで対策が取れます。また、金利変動が不安な方は、変動金利ではなく固定金利を選択する方法もあります。
いずれにせよ、1人で考えるのは難しいため、不動産会社の担当者やファイナンシャルプランナーなどのプロと一緒に長期的なシミュレーションを考えてみましょう。
突発的なトラブルが発生する
アパート経営で起こりうる突発的なトラブルは以下のとおりです。
- 設備の故障
- 家賃の滞納
- 入居者同士のトラブル
アパート経営は不労所得と思われがちですが、お金の管理や入居者とのやり取りが発生します。そのため、投資よりも事業に近いと言えるでしょう。
会社員の方は、本業の最中にアパートでトラブルが発生すると対処できないので、管理会社に管理委託するのがおすすめです。
管理委託することで、オーナーの手間がかからないことに加え、入居者側もすぐに対応してもらえるため満足度が高まります。
まとめ
本記事ではアパート経営のメリット・デメリットや、事前の対策を紹介しました。
アパート経営にはメリットがある一方で、デメリットもあります。アパート経営の良い面だけを見て始めると、イメージとの違いに苦しんでしまうでしょう。
アパート経営は、本記事で紹介したデメリットを踏まえ、対策を実施したうえで取り組みましょう。