～投資を自動化する新たな技術～　ロボアドバイザーとは

Ⅰ.ロボアドバイザーとは

ロボアドバイザーは、自動化されたアルゴリズムに基づいて資産運用に関するアドバイスを提供するデジタルサービスです。簡単に言うと、投資家のニーズに合わせて資産運用に関するアドバイスをくれたり、運用をお手伝いしてくれるのです。いわば、”AI投資家”とでも言えるでしょう。

投資家の目標や投資期間などのいくつかの情報を入力すると、ロボアドバイザーはその投資家にとって最適なポートフォリオを提案してくれます。

ロボアドバイザーには主に、「アドバイス型」と「投資一任型」の2つのタイプがあります。

◎アドバイス型：上記のような質問に答えるだけで、リスク許容度を診断し、最適なポートフォリオを提案してくれます。あくまで提案をしてもらうだけで、投資の実行は投資家自身で行います。

◎投資一任型：最適なポートフォリオを提案した上で、投資家の代わりに投資を実行し運用する役割まで担います。 投資家は運用資金を入金し定期的に積立をするだけで、ロボアドバイザーによって提案ポートフォリオに応じて自動買付が行われます。

「アドバイス型」では投資の実行は自身で行うため、「投資一任型」に比べて手数料が安く済むのがメリットです。一方、投資に極力時間や労力を取られたくない人は「投資一任型」が向いているでしょう。

それぞれの特徴を理解し、自身に合ったタイプを選んで利用しましょう。

Ⅱ.ロボアドバイザーのメリット

初心者でも投資を始めやすい

投資初心者にとって、投資の実行からリスク管理、ポートフォリオのリバランスまでを行うことは決して容易ではありません。その点、ロボアドバイザーを利用すれば高度な知識を必要とせず、効率的に資産運用を始めることができます。

ロボアドバイザーがどのような投資、運用をしているのかを確認するための最低限の知識は必要になりますが、独学でゼロから試行錯誤を繰り返すよりも、かなり効率的に進めることができます。

低コスト

ロボアドバイザーは、従来の人間のファイナンシャルアドバイザーよりも低コストで利用できます。これは、人件費やオーバーヘッドコストが少ないためです。

アクセスの容易さ

ロボアドバイザーはデジタルサービスとして提供されており、インターネット経由で簡単にアクセスすることができます。ウェブサイトやモバイルアプリからいつでも利用することができます。

自動化と効率性

ロボアドバイザーはアルゴリズムによって動作するため、ヒューマンエラーや人間の感情的な判断の影響を受けずにポートフォリオの調整やリバランスなどを行うことができます。つまり、ヒューマンエラーを防ぐことができます。

Ⅲ.ロボアドバイザーのデメリット

元本保証はされていない

ロボアドバイザーは過去のデータや統計、パフォーマンスに基づいて意思決定がなされます。したがって、将来の結果を保証するものではありません。

利益が出るのに時間がかかる

ロボアドバイザーは、ほとんどの場合10年以上の長期投資を前提としています。

そのため、1年未満などの投資では失敗する可能性が高くなります。

個別のニーズへの柔軟性とコミュニケーション能力の欠如

ロボアドバイザーは一般的なアルゴリズムに基づいて動作するため、投資家の個別のニーズに対して柔軟に対応することが難しい場合があります。また、ロボアドバイザーはデジタルサービスであり、人間との直接的なコミュニケーションができません。したがって、特定の質問や個別の相談に対するサポートが限定される場合があります。

Ⅳ.ロボアドバイザーを利用する上で考慮すべきこと

リスクを理解する

ロボアドバイザーは過去のデータや統計に基づきアドバイスを提供しますが、投資には必ずリスクが伴います。その点を理解し、ロボアドバイザーが提案するポートフォリオは必ずしも正解ではないかもしれないということを常に頭に置いておく必要があります。提案されたリスクとリターンのバランスを自身のリスク許容度と照らし合わせ、時には修正する必要があるかもしれません。

過去のパフォーマンスの限界を理解する

前述の通り、ロボアドバイザーは過去のデータや統計に基づきアドバイスを提供します。ここで注意しておきたいのが、”過去のパフォーマンスは将来の結果を保証するものではない”ということです。

したがって、投資家は常に市場の変動やリスクに対して注意を払う必要があります。ロボアドバイザーにとって、将来の予測は難しいということを理解しておきましょう。

まとめ

近年、ロボアドバイザーは画期的なデジタルサービスとして一目置かれている存在となっています。しかし、利用に際しては考慮すべき点もあります。

ロボアロバイザーの特徴を理解し、上手に利用していきましょう。